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2022.11.19

第6回福島県障がい者芸術作品展 「きになる⇆ひょうげん 2022」審査結果発表

第6回福島県障がい者芸術作品展 「きになる⇆ひょうげん 2022」の審査結果を発表いたします。

 
★福島県知事賞★

《⽬⽟焼きとフルーツで始まるボクの⼀⽇》
畑中 魁翔(はたなか かいと) 
16歳(福島市)

【審査員コメント】

本作は、とてもアクティブで元気のいい、そして様々な色が折り重なって、しっかりとバランスがとれている作品です。絵を描くときはいろんなきっかけがあって、「この色を使いたいなあ」とか、「この道具で描きたいなあ」とか、「この材質感・触感と時間を共にしたいなあ」とか。最初から画面を完成させるということではなく、画材と戯れている時間であったり、自分の感覚・触覚・触り心地を楽しんでいる集積だったりします。そして体や指の動きの軌跡が気がつけば残っていて、世間的にはそれを絵と呼ぶ、みたいなことだとも言えます。そして一番難しいのが、「じゃあ、これでやめよう」という着地点です。自分の中でこれを人に伝えたい・見せたいという気持ちが出てくるときに、自分のほしい完成図がちょっとイメージできてくる。そして、そこに着地しようっていうねらいをさだめて、手を走らせて、それにたどり着いた瞬間を自分で確認できたら筆を置く……完成。という感じで、画面の前から自分が離れていくということが起こると思います。この畑中さんの絵はどういうことではじまり、どういう時間を過ごし、どういうきっかけで画面から作者が離れて行ったのかを想像したくなる、そんな絵だと思います。

見た人がどう感じるのかは自由なので、この作品を今見ているあなたも、ぜひあなたなりに畑中さんの気持ちやアクション、最後の着地など、いろんなことを想像してみてください。


 
★きになる⇆ひょうげん賞★ 



《ロールシャッハ!?》
《みんなでロールシャッハ!?》
アスペルNo.28(あすぺるなんばーにじゅうはち)
53歳(喜多⽅市)


【審査員コメント】

今年のきになる⇆ひょうげん賞は《ロールシャッハ!?》《みんなでロールシャッハ!?》という連作の作品を選ばせていただきました。参加性のあるインタラクティブな作品で、この期間中に、この作品の意図したアクションが美術館の中で起こっていくだろうと思います。「作品」っていうものをどう鑑賞するのか、関わるのかということを考えると、これまでになかった作品です。この、きになる⇆ひょうげん展の一番の特徴である「なんでも提出できる」というところで、これは絵でもないし、立体でもないし、リサーチ目的の調査でもないし、リレーショナルアート的なジャンルでもない。「自分はこう見えるんだけど、あなたはどう見えるんだろう。それを見てみたいな」っていうすごく素直な動機で生まれてきた作品だと思います。この公募展を今後も開催していくにあたって、「こういう作品があったのか」「こういう表現の仕方が、展覧会場で観客と関わるやり方があったのか」と思えるものが出てくる可能性があるなと予感させられる作品でもありました。

あと、心掴まれたのは、「みんなでロールシャッハ!?」という言葉です。ロールシャッハは頻繁に使う言葉じゃないけれども、「みんなでロールシャッハ!?」ってどういうことなんだろう。その言葉の不思議さ、きになりさも、このきになる⇆ひょうげん賞のひとつの大きなポイントだったと思います。ぜひ参加してみてください。


★審査員賞・日比野克彦賞★

《発砲》
⼩⻨粉(こむぎこ)
(大沼郡会津美⾥町) 
 

【審査員コメント】 

今年の日比野賞は小麦粉さんの《発砲》です。大砲が「ボンッ」と出る発砲台です。先端のところに筒状のものがあって、それを竹串で支えています。先端にいくには、入り口から登って行くようです。素材は飲料水の箱で、それを最小限の手数(てかず)で、発砲台にしています。きっと、箱をみたときに「◯◯みたいだな」とか「これ、ここを入り口にして、ここから発砲するタワーに見えるな」と想像したのではないかと思います。僕もよく、「何を作りたいか」というよりかは、空き箱や空き缶とかを見ていると、「これ何かに見えてきたな」となって手が動く時もあります。

小麦粉さんはもう一つ、キャンピングカーという作品も出品していて、それは箱に竹串が刺さってタイヤがついている作品です。タイヤがつけば箱は車になるし、筒がつけば発砲台になる。箱がいろんなものになっちゃうという想像力が、とてもきになる小麦粉さんの作品です。


 
★審査員賞・川延安直賞★

《ドライブ時間のいろ》
武藤 真悠(むとう まゆ)
13 歳(郡⼭市)

【審査員コメント】 

真悠さんは《ドライブ時間のいろ》と《虹をつくるパートナーシップ》と《虹色少女》の3種類の作品の応募がありましたが、川延賞としてはこちらの《ドライブ時間のいろ》にしました。タイトルも真悠さんがご自分でつけたタイトルだそうです。3点をお選びになったのは、真悠さんのお母さんの選抜で、とてもいいハーモニーの3点だなと思いました。

おそらく、会津あたりの国道を走っていると、スノーシェッドから見える木漏れ日だったり、アーチ状の橋があったりして、もしかしたら猪苗代湖かなと思って見ています。道々のとても印象に残る風景がごくシンプルに凝縮して描かれています。すごくビビットな色彩で、現実にはありえないのだけれども、私はとても懐かしさを感じました。とても色感が素晴らしいなと思います。これからもどんどん作品を作って、ぜひ見せていただきたいと思います。


★審査員賞・川内有緒賞★

《天⽔ちゃんも 私⼤好き》
天⽔みちえ
45 歳(喜多⽅市)

【審査員コメント】

この作品は、コーラが作品の一部になっています。今年は、「コーラが飲める作品もあります」と聞いて、「商品化されたコーラが作品というのはちょっと違うんじゃないか」という先入観を持っていたのですが、飲み始めて、動画を見て、作品を見ているうちに、だんだんなぜかこれに引き込まれてくる自分がいました。さらに、作品の説明を読むと「統合失調症でありながら、震災のあった福島でキャンドル、作文、絵、動画、クラフトコーラと、様々なスタイルで表現をする天水さんってどんな人?って思ってもらえたら嬉しいです。」って書いてあります。まさに、だんだん天水さんがきになっていく、不思議なパワーがある作品でした。作品全体に天水さんの人生や、天水さんが味わってきた様々な経験や喜び、苦しみ、いろんなものが詰まっています。これを知ってほしいという天水さんの気持ちも伝わってくるし、コーラ自体も美味しいし、この動画を見ると、どうやってコーラを作っているかから、過去の作品まで、いろいろなものがわかってくる。このマルチな表現というのはなかなかできないと思うので、川内賞に選びました。最後にこの説明文の中で、「天水さんはひとつ飛び抜けてよりも、総合マルチに作って合わせ技一本タイプじゃないかなと思っています。」とご自身でもおっしゃっているので、このスタイルをぜひ貫いていっていただければと思います。


★審査員賞・岡部兼芳賞★

《ぐるぐるです。》
丸⼭ 元気(まるやま げんき)
36 歳(福島市)

【審査員コメント】

岡部賞は丸山元気さんの「ぐるぐるです。」という作品です。作品を近くから見ると、実はこれは紙の束で、たくさん模様のようなものが書いてあります。これはなにかというと、小さい丸がぐるぐるぐるぐると書かれています。これが紙の裏表にびっしり書き込まれていて、ところどころ数字や漢字が入ってきたり、模様のようなものが入ってきたり、そういう紙が束になった作品です。本当にこれはなんなんだろうと、とても気になる作品だったんですけど、中を見ていくと書き込まれている文字や標識のようなものも見えて、もしかすると道路なんだろうかとか想像しました。また、作者の丸山さんは橋が好きで、橋の長さを覚えたりしてるということで、そういう橋の何かなのだろうかとか、いろんなことをすごく想像させる作品でした。そしてなによりこれだけの量をこの時間かけてぐるぐるぐるぐるしていた時間の長さと、それにかけてる根気、気持ちのようなものが、愛おしさを感じさせるというか、そこにじんわり作者の丸山さんが取り組んでいる姿が目に浮かんでくるような感じがして岡部賞とさせていただきました。


特選

特選の作品は以下になります。 ※順不同・敬称略

作品番号作品タイトル名前・ペンネーム活動地域
3TIGER COLARSO会津若松市
43ぼくのすきなけしき樋口 惺哉郡山市
71広がるzuoruren三春町
90もういいかげん終わってナオン草彅会津若松市
206ぼくのあたまのなかのせかい
(ロボット、トラック、おうち、デンシレンジ、ひと、バズーカ赤)
長利 浩幸西会津町
225ちょうだい角 純子郡山市
240ないぞう高宮 尚美郡山市
241堀田民報 和男民友堀田 和男郡山市
254がんばってかきました大友 知義郡山市
315まなのスケッチえほん3栗林 眞奈玉川村
317戦闘機穂積 碧玉川村
330若葉の季節がのぞいてる岡崎 莉乃愛福島市
346ブロッコリー平野 義朋猪苗代町
396ぽっかり鶴水 亜里沙新潟県
416トラック生田目 幸作石川町
449じゃんがら蒲生 卓也いわき市
475まぼろしのきのこ佐藤 秀樹会津若松市
503アジサイ鶴水 亜里沙新潟県


入選

入選の作品は以下になります。 ※順不同・敬称略

作品番号作品タイトル名前・ペンネーム活動地域
1ギター曲5点(5テーマ)午前中福島市
4フェニックスSO会津若松市
6ガゼル鳩原 匡新地町
10藤原 景清佐藤 敏朗相馬市
11どくだみ櫻林 健志いわき市
12雑草櫻林 健志いわき市
18けむし花瓶の親子と僕未来野 ひかるいわき市
21ハチドリの一滴佐々木 トク子猪苗代町
22窮困からの挑戦芳賀 大将矢吹町
24魂の精霊芳賀 大将矢吹町
26いとしのポニー柳沼 信也郡山市
27宇宙創成柳沼 信也郡山市
29満月の夜松本 秀勝福島市
31酒井快☆会津美里町
36みんなでお風呂!!とっくん新地町
39ちえちゃんとねこゆうきとちえ新地町
44ぼくがすきなおみせ樋口 惺哉郡山市
63わたしのイチオシ!!横山 和子会津若松市
67ぞうさんギター幡月福島市
68ドラムの演奏会幡月福島市
69くだものパラダイス幡月福島市
70ぽちゃんzuoruren三春町
72161コzuoruren三春町
74シャインマスカット青山 颯いわき市
75ひげのおじさん青山 颯いわき市
78ねずみポチいわき市
813Dスカル伊豆田 雅礼郡山市
83息子から父への贈り物近内 沖尋郡山市
89コンサートプログラムナオン草彅会津若松市
92はたらくのりものたち2022
〜バンとトラクターとうんぱんしゃ(JRA)
よういちろう南会津町
96人参 じゃがいも松田 匡慈会津若松市
97ふじ山パズル松田 匡慈会津若松市
99夢のかたまり荒木 聖福島市
103国道121号線は、もや いっぱいKO☆塙町
108山本 愛美福島市
120地球小船井 晴彦南相馬市
168とぶぞ!!大和田 宗位
行川 聖真
鈴木 颯人
齋藤 紬
村上 駿仁
田村市
175とけい だいすき吉成 龍之介郡山市
181でんしゃ鈴木 愛翔郡山市
205松茸奥川 宗斗須賀川市
209白・黄・赤・青・緑・黒の中から私の色西会津町授産場西会津町
220ラブレター大友 学猪苗代町
231おぎん助川 晴栄郡山市
232おてがみ青木 玲子郡山市
236車いすアート〜タイヤフラワー〜森 陽香郡山市
237車いすアート〜タイヤフラワー〜動画編森 陽香郡山市
251どんな秋?PORTO新聞10月号PORTO新聞郡山市
252自分の心の中のあくま パート①大友 知義郡山市
253自分の心の中のあくま パート②のその心の中大友 知義郡山市
259命とは、色とは。あい郡山市
269可愛い世界光本 あい郡山市
271しまうまルフィ郡山市
2723人とぬいぐるみ熊倉 都美郡山市
288すすむつばさ菅野 隼いわき市
290立鉾踏切佐々木 雄生いわき市
291のうみそ伊藤 乎大朗郡山市
296オムレツとレタス佐藤 翔福島市
299私の道S棚倉町
301ひまわり伊藤 篤史いわき市
302無題渡部 良一いわき市
309宇宙旅行鈴木 健斗玉川村
313しんごう赤石 優斗玉川村
316タンクローリー渡邉 智也玉川村
323かくれた猫中島 優太福島市
331青コーンたちのおしゃべり金野 有希福島市
343ポイズン バグズ加藤 奎太猪苗代町
350シャーロックホームズとワトソンの
化学物質事件
福原 光志郎猪苗代町
357ティーレックス半沢 悟己伊達市
358たこ相楽 拓音伊達市
359根本 結理小野町
361あお、あか、みどり、きいろYOSHITAKA郡山市
362ぼくの自由帳YOSHITAKA郡山市
363青い いなづま五十嵐 幸希いわき市
365なつ の うみ と あかい さかな井坂 愛弥いわき市
367とんぼ赤川 来美いわき市
373My favorite fruit芳賀 夏妃いわき市
380ダイナソーが来た!佐藤 将希いわき市
381東京スカイツリー佐藤 将希いわき市
383これ何でしょう?ムール姫会津美里町
390未来のマグマ キャンピングカー小麦粉会津美里町
393未来の動物園片思い会津美里町
397ひまわり橋本 義仁須賀川市
399お人形浜尾 大一須賀川市
405すもう高野 想大須賀川市
406絵ろうそくこころデイケア会津若松市
410ぼくの時間川名 晃弘本宮市
417めがね生田目 幸作石川町
420ひさし佐藤 久石川町
423ギャル リリッチャン中島 玲仁会津若松市
430伊藤 英里沙二本松市
440にじ電車草野 凌緒郡山市
445〜serlesofremeke〜小川 凌空郡山市
447ねこ・ねこJINいわき市
450ボンド蒲生 卓也いわき市
457授業中に描いたボクのマンガ鈴木 晴翔西会津町
459ハリガネいちか☆猪苗代町
460イチカイズムいちか☆猪苗代町
461山の向こう八巻 光伊達市
462ブラキオサウルス佐藤 柊也猪苗代町
463千代 嵩太郎会津若松市
466僕のみち長谷川 瑞生会津若松市
483遠足の思い出「カワウソ」穴澤 愛生会津若松市
484遠足の思い出「カワセミ」遠藤 陽愛会津若松市
485遠足の思い出「ザリガニ」佐藤 圭会津若松市
504集落木須 弘伊達市
505夕日に乱雲木須 弘伊達市
506花畑木須 弘伊達市


受賞者・入選者一覧は下記よりPDFデータをダウンロードいただけます。

第6回 福島県障がい者芸術作品展「きになる⇆ひょうげん2022」入選者一覧


※ この他、開催期間中、来場者のみなさんに「きになる」作品に1票ずつご投票いただきます。1番得票の多かった作品を 「オーディエンス賞」として会期最終日に表彰する予定です。


応募多数のため、今年は約420作品を会場内に展示しております。
1人でも多くの作家の作品を展示するために、展示スペースの都合上展示されていない作品もございますが、複数の作品をご応募いただいた方は、作品1点は必ず展示しております。

展示されていない作品は、会期終了後に展示された作品とあわせて返却させていただきます。ご理解・ご了承のほど、よろしくお願いいたします。