2025.10.27

この度、当館が委託を受け、福島県が主催する巡回展「きになる⇆ひょうげん リターンズ」におきまして、お預かりしていた作品の一部を紛失するという事態が発生いたしました。作品を大切にお預かりすべき美術館として、このような事態を引き起こしましたことを深く反省し、該当作品の作者様をはじめ、関係者の皆様に心よりお詫び申し上げます。
1. 事案の概要
当館が開催した第8 回福島県障がい者芸術作品展「きになる⇆ひょうげん2024」にて、審査員賞を受賞した複数点組の作品のうち、1 点が所在不明となっていることが判明いたしました。
この作品は、前年度の会期終了後から、2025 年に開催された巡回展に向け、当館の保管スペースにて厳重に保管しておりました。
紛失は、2025 年に行われた巡回展の第一会場の撤収時に、作品が本来の点数より1 点少ない状態になっていることに気づき、発覚いたしました。
発覚後、当館のバックヤードや保管場所を改めて徹底的に捜索いたしましたが、現在に至るまで発見には至っておりません。また、該当作品の作者様とそのご家族様、および関係機関に対しても、すでに報告と謝罪を致しております。
長期間お預かりしていた大切な作品を紛失したという事実を重く受け止め、当館の作品管理体制、特に点数の確認および保管記録に関する手続きに落度があったことを深く反省しております。
2. 再発防止策と信頼回復への取り組み
作品管理体制を抜本的に見直し、二度と作品を紛失させないため、複数点組作品の点数確認と記録を徹底します。
具体的には、(1)応募・収蔵時に点数を明確に確認し、記録写真を保管する。(2)展示期間中は毎日閉館時に点数と状態を確認し業務日誌に記録する。(3)長期保管時にはリストと写真を作成し、移動時も記録を残す。(4)巡回展を含むすべての展示で、開梱時と梱包時に点数を再確認し、日付入りの記録撮影を行うことで、紛失が発生しないよう厳格な管理体制を確立します。
3. 結び
この度の作品紛失は、当館の管理体制の甘さに起因するものであり、重ねて深くお詫び申し上げます。
当館はこの事態を教訓とし、上記再発防止策を全職員に周知徹底・実行することで、皆様からの信頼回復に全力を尽くす所存です。
今後とも、作品の安全管理に万全を期し、皆様に安心して展覧会を楽しんでいただける美術館であるよう努めてまいります。
2025年10月27日
はじまりの美術館 館長 岡部兼芳