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お知らせ

2026.04.06

猪苗代のウォールアートのご紹介

はじまりの美術館も実行委員として参加している、猪苗代アートプロジェクト実行委員会では、2016年よりアーティスト猪苗代を招いて、壁画を描く取り組みを行なっております。

猪苗代町内の学校に壁画を描く活動などを行い、2025年には猪苗代町統合70周年を記念して、アーティストによるまちなかでの壁画制作を行いました。

ぜひ、はじまりの美術館とあわせて、まちなかのウォールアートも巡ってみてください。


ウォールアートフェスティバルふくしま in 猪苗代とは……

「アート × 学校 × 地域」により、子どもたちの感性を育みながら、想像と創造の熱を猪苗代から発信する芸術祭のこと。2016 年から 2023 年の期間は、NPO 法人ウォールアートプロジェクトと猪苗代町内の有志とで実行委員会を組織し、2024 年からは町内有志が集い、継続開催しています。

これまでの活動については、猪苗代アートプロジェクトホームページをご覧ください。



・スギサキハルナ《風が吹く、山の目が開く》
制作年:2025年
素材:猪苗代土、蓮の葉、茎、菱、ナナカマド、煤
場所:猪苗代中央商店街パーキング(福島県耶麻郡猪苗代町新町4858-1)

作家コメント:
この作品は猪苗代の4つのシーンを描いています。
トイレの正面側にはこの地に息づく植物たちの気配を描きました。猪苗代の自然は日常の風景のなかで静かに輝きを放っています。その見えない気配を精霊の姿として表現しました。
正面に向かって右側の壁には野生の生命を描きました。険しい自然の中でたくましく生きる獣たちの力強さを猪苗代町で感じたままに表現しています。正面向かって左側には「中ノ沢こけし」から着想を得た精霊を描きました。この地で育つ子どもたちの未来を見守る“魔除け”としての1枚です。背面には磐梯山とそこに向けられる人々の眼差しを描いています。
山頂の壺は「妖怪・手長足長」を封じる象徴として置きました。山は人を見ており、人もまた山を見つめています。すべてのモノは光と影の均衡の中に存在している—その関係性をこの壁画全体で示しています。
今回使用した絵の具は猪苗代町の自然素材から生まれたものです。畑の土、蓮の葉や茎、ヒシ、ナナカマド、煤などこの地に根ざした”色の記憶”とともに作品をご覧いただければ嬉しく思います。

作家プロフィール:
スギサキハルナ  SUGISAKI Haruna
現代美術家。1994年神奈川県生まれ 神奈川県大磯町在住。
訪れた土地の自然素材を用いて、その場所の記憶を刻む絵画を生み出す。
草木や花びらから抽出した染液、波打ち際に打ち寄せられた貝殻や鉱物、古民家のかまどに残る煤、森に降り積もった土これらはすべて、その地が持つ「色」として作品に息づいていく。道端に生える雑草や、忘れ去られた廃材も、すり潰し煮出し、時間をかけて抽出することで鮮やかな絵の具へと生まれ変わり、思いがけない色彩でキャンバスを彩る。こうして生み出されていく現代の壁画は、土地の精霊と共鳴しそこに生きるものたちのエネルギーを未来へと紡いでいく。スギサキは土地の記憶と現代の視点を融合させ、過去と未来をつなぐ架け橋となるような表現を、日々模索し続けている。

スギサキハルナホームページ
スギサキハルナInstagram



・浅野友理子《赤い実の灯火》
制作年:2025年
素材:アクリル絵の具
場所:ななかまど食堂(福島県耶麻郡猪苗代町新町4931−1)

作家コメント:
今回の舞台は商店街。この絵を描いた「ななかまど食堂」では街の人たちが日替わりで食堂やスナックを営業していました。
壁画の制作をしながら近所の方に声をかけていただいたり、信号待ちの車から絵を観る人たちとは何度も目が合います。バス停の前ということもあって、統廃合で1つの学校に通う子どもたちが各家々に帰っていく姿が印象的でした。
バスに表示される猪苗代の様々な地域の地名をみながら、これまでの猪苗代の学校での壁画制作をおもいだしたりして、このプロジェクトの地続きの確かな繋がりを感じる瞬間もありました。

話しかけてくれた一人の方が「猪苗代の冬は雪でモノクロの世界になる。冬の間も赤い実をぶら下げたナナカマドは、雪に映えるんですよね」と、仰っていました。

ナナカマドは燃えにくく、七度カマドに入れてもなお燃え残ると言われています。火がつきにくくて燃え広がりにくいことから、古くは薪炭材として利用されてきました。
猪苗代の街の木でもあり、街路樹や家々の庭木として植わっている小さなナナカマド。紅葉が進み始めた山間部では、ナナカマドの巨木に出会いました。1本の木を見つめていくと、枝や葉のつき方、紅葉する速度、みえない根、それぞれに個性があり、実の一粒一粒も少しだけ人間と重なりあうようにおもえました。
壁画の中に実ったナナカマドが、猪苗代の方々の日々の生活の中でふと目にとまり、あたたかな存在として愛される絵になっていったら嬉しいです。

作家プロフィール:
浅野友理子 ASANO Yuriko
画家。1990 年宮城県生まれ。
2015 年東北芸術工科大学大学院芸術工学研究 科修士課程修了。食文化や植物の利用を切り口に、様々な土地を訪ね歩く。これまでに山間地域の木の実食文化、土地ごとに受け継がれる在来野菜や救荒植物について、出会った人々とのエピソードを交えながら記録するように描いてきた。

浅野友理子ホームページ
浅野友理子Instagram


・岩切章悟《天鏡の竜》
制作年:2025年
素材:アクリル絵の具
場所:い~な郷の蔵(福島県耶麻郡猪苗代町字本町10 )

作家コメント:

黄金に染まる猪苗代

天色(あまいろ)の湖に
さんさんと燃える太陽が映し出されると水面が波打ち
波紋の中から水の化身が現れ
竜巻のごとく天に昇っていった

水飛沫を大地にまきふらし
太陽へ昇る竜の雫が
日の光に反射して
空いっぱいに虹輪を架けてゆく

水神は調和の兆しを示し
語りかける

“人々よ いまこそ三の目を開き 切り離された和を繋ぎ合わせて未来への物語を紡ぐのだ”

“この地の恵みに触れ思い出し 伝えてゆけ 今 この時 目覚めの物語がはじまると”

作家プロフィール:
岩切章悟 Shogo Iwakiri
1978年東京都生まれ。Artists、壁画家、Viajero(旅人)、社会彫刻家。
未知の環境から得る感覚をイメージして絵を描く製作を好み、数十カ国もの国に絵を描く旅をする。中でも強く影響を受けたのが中南米を中心とするラテンアメリカ先住民文化であり、彼らとの生活を通しシャーマニズムや自然との暮らしに触れ、その経験が自身の絵画世界の中にも大きく反映されていく。2011年、東日本大震災を機に循環をコンセプトとした[★ con tierra ☆] シリーズを発表。2023年より約1年半のメキシコ壁画旅を経て、新たに兎男が物語を繋いでゆくファンタジア◆◇ Aliceman Story ◇◆ シリーズを本格始動する

岩切章悟ホームページ
岩切章悟Instagram


・香川大介《みのりの予感》
制作年:2025年
素材:モルタル壁面に水性ペンキ
場所:八子米店(福島県耶麻郡猪苗代町本町34)


作家コメント:
まちに描くこと、外で絵を描くことの楽しさについて。
屋根壁に囲まれた室内と違い、時に雨風・寒暖熾烈な環境にさらされることもあり、その分画面は変化に富み思いがけない表情を見せてくれます。そばを往来する方々と言葉を交わす時、土地の記憶が絵にまざり込むのを感じます。長い長い生活の中でまちはそれぞれの顔をもっていて、話をするように筆はすすみこの絵もまたいつか生活にとけていくでしょう。幼い頃アスファルトに石で夢中に描いた日の思い出、あらわれたお米のイメージはこれもまた私たちの生活を支える大事な存在です。
“みのりの予感” 猪苗代のまちは奥深く雄大な話を聞かせてくれました。

作家プロフィール:
香川大介 KAGAWA Daisuke
1981 年福岡県生まれ。栃木県日光市在住。
絵画収入による日本徒歩縦断などを経て、画家としてのスタイルを確立。各地で展覧会の開催、また芸術祭などに参加。インド東部ビハール州 で開催された 「ウォールアートフェスティバル in カガリア 2015」にて学校の教室の壁3面に大作を描いた。形にとらわれない「創作」そのものを中心とした生活をおくっている。日光明峰高等学校にて美術講師を務める。

香川大介ホームページ
香川大介Instagram



・カトウシモン《Story of the Dragon Rider Once upon the bunchika Bandai beats we hit》
制作年:2023年
素材:アクリル絵の具
場所:猪苗代駅前


作家コメント:
いつかみんなで“ブンチカ磐梯ビーツ”を打ち鳴らしたときみたいに、

"今"は気付くためにここにある。

あなたが感じているアルシオーネからの風の中では、

あなたの命は魔法的で

貴重な山の頂上で踊る宇宙のダンサーだ。

【解説】

2023年9月。カトウが、翁島小、千里小、緑小の3つの小学校の児童たちと開催したワークショップで、この壁画のベースが完成した。3つの学校は来年度に猪苗代第二小学校として統合される。この作品は一つになる学校の児童たちによる最初の共同作業とも言える。

ワークショップの様子はこうだ。

カトウが長年思い描き、描くことをライフワークとしている「ドラゴンライダー(龍乗り)」の話を伝えた。
217人の子どもたちは、まるで自分も「ドラゴンライダー」であるかのように、冒険に旅立つように、筆を握り、色を選び、「えいっ」と渾身の一筆を入れた。背後ではカトウがドラムとシンセサイザーで“ブンチカ磐梯ビーツ”をかき鳴らした。それらの線が交わり、重なり、七色のベースが出来上がった。

「美しいなー」「あの子たちからエネルギーもらいながら描くよ」と、カトウはd子どもたちの筆跡に導かれるように、猪苗代の太陽と磐梯山に守られながら、図柄を描き出していった。

アルシオーネとは、この猪苗代で受けた強烈な太陽の光からの連想で、私たちの太陽系の公転の中心プレアデス星団の光の源のような存在だという。

作家プロフィール:
カトウ シモン  KATO Shimon
絵描き、音楽家、詩人。東京都出身。長野市松代町在住。日本人の父とイタリア人の母の元に生まれ、絵やドラム演奏に親しむ。人の見ている前で廃材に絵を描き、そこで生まれる変化をライブで魅せるスタイルで画家のキャリアをスタート。創作活動、発表のシーンは多岐に渡り、観る人々にその人しか知らない“魂のお話”を伝えている。著書に『龍乗りの物語』(小さい鷲男books刊)。
カトウシモンInstagram



ほかにも、猪苗代町内各所にはドイツ・ハンブルクをベースに活動するアーティスト「TONA(トナ)」が2017年に描いた作品が点在しています。
モデルは、TONAが世界中で出会った子どもや猪苗代の子どもたち。
ぜひ探してみてください。

TONA Instagram


2026年春。「ふくしまデスティネーションキャンペーン」に合わせて4月1日(水)から6月30日(火)の期間、猪苗代町商工観光課・猪苗代観光協会主催で「ウォールアートラリー」が開催されています。

猪苗代町統合70周年記念事業で町内に描かれた5つの壁画(ウォールアート)を巡って合言葉を集めよう!

5つの合言葉を記入したマップを猪苗代観光協会窓口にお持ちいただくと特製のプレゼントを進呈しています!

※マップは猪苗代観光協会、道の駅猪苗代、はじまりの美術館等で配布しています。

レンタサイクル「いなチャリ」のご利用もおすすめです。